COVID19・ワクチン後遺症
COVID19・ワクチン後遺症
COVID-19後遺症の症状には、厚労省のHP上、倦怠感、関節・筋肉痛、咳、痰、息切れ、胸痛、脱毛、ブレインフォグ(記憶障害、集中力・思考力低下)、頭痛、抑うつ、嗅覚・味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などが挙げられています。時間経過とともに症状が改善することが多いとされていますが、中には持続するケースがあり、症状に合わせた治療が行われます。
COVID-19ワクチン後遺症においても、上記と同様の症状が厚労省に報告されています。共通するのは新型コロナウイルスのトゲトゲの部分(スパイク蛋白)による作用だと考えられています。スパイク蛋白は、血管傷害、ミトコンドリアの断片化を引き起こすことが知られています。
ミトコンドリアは、生きていくために必要なエネルギーを産生する細胞内小器官です。代謝盛んな肝・腎・筋肉・脳などに多数存在しています。また、アポトーシス(細胞死)、免疫に関わる活性酸素の調整にも関わります。加齢と共にミトコンドリアの数が減ったり、機能が低下すると、疲れがとれにくい、代謝が悪くなるといった事象が起こります。スパイク蛋白はこのミトコンドリアを傷害するために、内臓の機能が低下したり、倦怠感などを引き起こすと考えられます。
COVID-19後遺症であまり見られず、ワクチン後遺症で多数報告されているのが血管傷害(心筋梗塞、脳出血、脳梗塞など)です。眼の血管に血栓が詰まって失明を起こすことも報告されています。これらは、スパイク蛋白による血管傷害が原因と考えられています。
また、COVID-19ワクチンには、mRNAを包み込んでmRNAを安定化させる脂質ナノ粒子(LNP)が含まれています。LNPは従来、細胞融合の試薬として汎用されてきた経緯があり、mRNAが各臓器に取り込まれやすくなる働きを持っています。また、LNP自体が強力な炎症を起こすことが知られており、接種後心筋炎、自己免疫疾患などの原因のひとつと考えられています。
接種後に気管支喘息を発症したり増悪したりするケースが少なくありません。全て因果関係があるわけではないですが、ステロイド吸入が効くことから、LNPによる気道炎症の可能性はあるかもしれません。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)より、ワクチンの成分が、副腎・骨髄・肝臓・卵巣・脾臓に取り込まれやすいことが提示されています。それにより、副腎不全・血液疾患・肝障害・月経異常・免疫異常などが起こることが考えられています。
COVID-19ワクチンのmRNAは人工的な修飾が施されており、それにより自然免疫が活性化しなくなることも報告されています。
国内外では、接種後の様々な自己免疫疾患が報告されています。LNPによる炎症以外に、スパイク蛋白が私達ヒトの蛋白と似ている部分を持つために、スパイク蛋白に対してできた抗体が、誤って私達の細胞を攻撃してしまう機序が考察されています(交差反応)。
接種後に「立っていられなくなった」という訴えも少なくありません。COVID-19ワクチンは神経系にも障害を来たすこともありますが、中には原因が体位性頻脈症候群(POTS)であるケースが見られます。立ち上がると頻脈になるため、立っていられない、立ちくらみ、動悸、息切れ、胸痛、ふるえ、脱力、目がぼやける、胃腸症状、睡眠障害、ブレインフォグ、光・音の過敏症、四肢の冷え・痛みといった症状が出ることがあります。なお、POTSはCOVID-19感染後にも生じることがあります。β遮断薬などで対応します。
上記のように、後遺症においては多彩な症状が認められます。特に、ワクチン接種後の後遺症については、大学病院や総合病院を受診しても異常がないため、医療機関を転々とし、最終的には精神科へ紹介される方々が少なくありません。しかし、採血が正常でも栄養学的には異常を来たしていることも多く、異常が見逃されている可能性があります。当院では、COVID-19感染後やワクチン接種後に体調不良を自覚されている方々に寄り添い、体調改善に向けて、共に取り組ませていただきたいと考えております。
スパイク蛋白やLNPによる体調不良に対しては、現時点では確立した証明方法や治療法はなく、正直なところ、当院でも手探りの状況です。しかし、日々関心ある医師達の間で活発な議論が繰り広げられており、院長も日々情報収集に努めています。
いずれにしろ、まずは身体の基礎を整えることが必須であり、ミトコンドリアを活性化するためにも、栄養療法は一つの重要な打開策だと考えております。漢方が効果を発揮することも知られています。水素療法は、活性酸素を無毒化するため多彩な症状への効果が期待できます。ご自身でよく調べておられる方々も多く、当院でも可能な限りご希望に沿った治療をご提供できればと考えておりますので、多くの医院で効果を発揮している自由診療に関しては、遠慮なくご提案ください。
諦めずに、身体を健やかにすることができるよう、一緒に治療法を考えて行けたらと思っております。