ぜんそく外来
ぜんそく外来
気管支喘息は、気道(空気の通り道)に炎症が生じて、様々な刺激に敏感になり、発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。症状には日内変動があり、夜間や早朝に症状が出やすく、「咳で目が覚める」こともあります。日中にも症状が出ることがあります。気道が狭くなるために、呼吸困難や、ビルの谷間風のようにヒューヒューという音を伴うことがあります。
小児喘息はおよそ9割にアレルギーの関与が認められますが(アトピー型喘息)、成人喘息はアレルゲンを発見できるのは6割程度で、残りの4割は原因不明の非アトピー型喘息が多いと言われています。
炎症をしっかりと治療しないと、気管支自体が硬くなる「リモデリング」という病態を発症し、元に戻らなくなることがあります。そうならないよう、特に初回治療、その後の再発時の治療を1回1回丁寧にすることが大切です。
なお副鼻腔炎(蓄膿症)を合併すると、治療があまり効かないことがあります。その場合、同時に副鼻腔炎の治療を併用します。気管支喘息は、適切な薬物治療と自己管理の継続で、これまでと変わらない生活を送ることができます。再発するケースも多いですが、普段から無理をしない生活を心がけ、症状が治まっても、一定期間治療に取り組んで行きましょう。
第一に問診が大切です。そして、以下の検査を行い、総合的に判断します。
問診:詳しい症状経過や家族のアレルギー歴、生活環境の確認など
聴診
検査:胸部X線検査、肺機能検査、呼気NO(一酸化窒素)検査、血液検査
※全て必要なわけではありません。
大きく息を吸った状態から、一気に息を吐ききり、気道がどの程度狭くなっているかを客観的に評価します。スパイロメトリーとも呼ばれており、病気の重症度や治療効果などをみるのに役立つ検査です。
息の中に含まれる一酸化窒素(NO)の量を測る検査です。一酸化窒素は、気管支の炎症が悪くなると増えるため、この値をみることで喘息の状態や治療効果を評価できます。
気管支喘息の発症・再燃には、何らかの原因があることが多いです。まずは、原因を探り、それを取り除くことが大切です(疲労回復・十分な睡眠・清掃など)。
東洋医学では、喘息の背景に皮膚呼吸ができていない状態があると考えられています。実際、患者さんに伺うと、湯船に入らずシャワーで済ませている方々も多く、時にはゆっくりと入浴することも有用な可能性があるそうです。
薬物治療としては、気道の炎症を抑える治療が基本となります。第一選択薬は、気道に直接到達するステロイド吸入薬となります。症状によっては、内服薬を加えたり、吸入がうまく使えない場合には、内服薬や貼付薬で治療をします。
重症喘息の方には、生物学的製剤という注射が適応になることもあります。なお、喫煙されている方は、薬剤の効果が発揮されなくなるため、禁煙が有用です。
また、症状が治まっても気道の炎症は続いているため、発作が起きていない普段の状態から、継続したケアが必要です。気道の炎症を抑え、発作を予防する長期管理薬(コントローラー)を基本とします。発作時には発作治療薬(リリーバー)を用いて対応します。
喘息を良好にコントロールするため、症状がなくても毎日継続して使用する薬です。気道の炎症を抑える薬、気管支を拡げる薬、これら両方の作用を併せ持つ薬などがあり、重症度や状態に合わせて使用します。症状がなくても途中で止めずに続けていただくことが大切です。
また、上手に吸入ができているかどうかで治療効果が大きく左右されますので、看護師あるいは薬剤師から吸入指導をいたします。
喘息発作をしずめるために短期的に使用する薬で、素早く気管支を拡げる作用のある吸入薬が使用されます。但し、気道の炎症を抑えるわけではなく、根本治療ではありません。
発作治療薬は頻回に使用すると、薬剤が作用する受容体が減ってしまい、効きにくくなるので注意が必要です。重症発作では、点滴などが行われる場合もあります。